14章2.4 ベストプラクティス・手動アーカイブと自動アーカイブ
P5のアーカイブは、大まかに手動アーカイブと自動アーカイブの2種類の運用方法が存在します。
■ 手動アーカイブ
マニュアル操作で都度アーカイブを実行する、手動アーカイブを行う場合、アーカイブプランは、ボリュームプールやクローニング、その他の各種設定値などで構成されるパラメータの集合体ととらえることができます。
手動アーカイブを実行するには、アーカイブ対象となる各ファイルとフォルダが準備されて、ボリュームが使用可能である必要があります。
この例では、外部からのソースをアーカイブ元のデータとするアーカイブや、1人の管理者で運用するアーカイブを行う場合に適しています。 ※詳細は9章1「ファイルのアーカイブ」を参照ください。
■ 自動アーカイブ
自動アーカイブは、ドロップフォルダと呼ぶ特定のフォルダ(ウォッチフォルダと表現されることもあります)を定期的にスキャンし、アーカイブプランにしたがって自動的にアーカイブを実行します。
自動的にアーカイブを行う場合、アーカイブプランはドロップフォルダ上のファイルやフォルダを自動的に収集するように設定されます。
一般的な運用では、アーカイブは夜間に実行され、アーカイブ完了後にドロップフォルダの中のファイルを消去します。
アーカイブの元となるデータが別々の複数のフォルダにわたって散在していたり、複数のユーザーでも混乱なく簡単にアーカイブの運用を行いたい場合などに有用です。
自動アーカイブは、大容量のオンラインストレージサーバーからデータをアーカイブする場合によく使われる方法です。自動アーカイブのアーカイブプランの設定は ※詳しくは6章5.1「アーカイブプランの作成」を参照ください。
ドロップフォルダーからの自動アーカイブの手段の一つとして、複数のボリュームから特定の名前を持つフォルダーを指定し、サーバーボリューム全体をアーカイブする事ができます。
この方法でフォルダーをアーカイブする場合、ドロップフォルダーにファイルを移動する必要が無くなり、フォルダー名を特定の名前条件を満たすように変更する必要があります。
例:フォルダ名の末尾に拡張子「.ToArchive」を付け、フィルターで指定すれば、「.ToArchive」が付いているファイルのみのアーカイブが可能となります。
アーカイブの実行の際、データがオンラインストレージから消去されてしまいます。したがって、アーカイブファイルとしてしか、そのデータが残らなくなってしまいます。そこでアーカイブデータをバックアップする事を推薦します。P5はアーカイブされたテープをクローン複製する事が可能です。
データのクローニングには、複製元と複製先のそれぞれのテープに同時に書き込みと読み出しを行う必要があるので、2つのテープドライブが必要です。テープが損傷して読み取れなくなってしまった場合に備えてクローン(複製)を作ることで、その複製から損失したアーカイブデータ復元する事ができます。クローニング(複製)を行うには、2台のテープドライブを必要とし、メディアプールを作成する時に指定する事ができます。
※詳しくは6章3.1「メディアプールの作成」を参照ください。
※複製からのテープのリカバリは、6章4.3.2「ボリューム再構成」を参照ください。