12章3 -トラブルシューティング- テープドライブのトラブルシューティング
この項ではテープドライブやテープライブラリで起こりうる一般的な問題の対処法を挙げます。
テープドライブおよびテープライブラリは複雑な精密機器であり、全ての問題を解決する事は困難です。
問題は下記の二つに大きく分かれます:
・外部のテープデバイスが確認されない場合 … (12.3.1 テープへのアクセス問題)
・セットアップができない場合…(12.3.2 テープオペレーション問題)
12.3.1 テープへのアクセス問題
デバイスを設定する際に;オープンエラーや、デバイス、アドレスを確認できないなど、エラーメッセージが表示された場合に本項目をご参照ください。
上記のエラーはデバイスがアクセス不可能か、そうでなくなった事を意味します。
デバイスがOSで確認可能かを以下の手順で確認してください:
[Windowsの場合]
デバイスをwindowsデバイスマネージャで確認します。
[macOSの場合]
Appleメニュー→このMacについて→詳しくの順に開いて確認します。
[Linuxの場合]
Terminalでcat /proc/scsi/scsi を入力し、接続されたデバイスを確認します。
[Solarisの場合]
ジェネリック SCSIドライバーをアンロードしてからロードし、接続されているデバイスを以下の書式を使用し、確認します。
rem_drv sgen
add_drv -v sgen
P5はOSのジェネリック SCSIドライバーを通じて外部のデバイスにアクセスします。デバイスがOSで確認できない場合、P5からのアクセスは不可能となります。また、各テープドライブ(通常シリアル番号か、デバイスベンダで表示されます)に加え、メディアチェンジャー(存在すれば)は別々のデバイスとして認識可能でなければなりません。
デバイスが全て確認できない場合、リブート及び、SCSIバスのリスキャンを以下の手順で実行します:
Windowsの場合、Windowsデバイスマネージャから新デバイスのスキャンを実行します。
Mac OS Xの場合、リブートしか方法はありません。
Linuxの場合、Terminalで以下の書式を入力し、ジェネリック SCSIドライバーをリロードします:
modprobe -r sg
modprobe sg
Solarisの場合以下の書式を入力し、ジェネリック SCSIドライバーをアンロードしてからロードします:
rem_drv sgen
add_drv -v sgen
また、デバイスの電源を消したり、接続の切断、再設定した場合、再びリスキャンを行う必要があります。
またデバイスを確認できない場合、以下の手順を行ってください:
1. 全てのケーブルが正しく接続されているか確認し、 パラレルSCSIデバイスのターミネーターも確認します。
上記の内容を行ったら、デバイスの電源を一旦落としたのち再度投入し(パワーサイクルリブート)リチェックを行います。
2. エラーが再び表示されたら、ホストバスアダプターが正しくインストールされているかを確認したり、ケーブルを取り替えてみてください。
上記の内容を行ったら、デバイスの電源を一旦落としたのち再度投入し(パワーサイクルリブート)、リチェックを行います。
3. 可能であれば、他のテープドライブで確認したり、ハードウェアのマニュアルを確認ください。
OSでデバイスが確認でき、P5でアクセスできない場合、メディアライブラリのストレージマネージャか、スタンドアロンデバイスからデバイスを消去し、再び追加してください。
また複数のデバイスが存在する場合、全てのデバイスで上記の内容を実行してください。
12.3.2 テープオペレーション問題
この項では、以前正しく起動していたデバイスが、テープかチェンジャーに関連するエラーが発生した場合の対処法を記載しています。
一般的な問題は下記の内容で対応できますので参照ください:
1.以下のエラーの場合:
SCSI バスリセット / SCSI Bus reset
SCSI デバイスリセット / SCSI Device reset
I/O エラー / I/O Error
機器配置のエラー / Mechanical positioning error
移転エレメントの上限 / transfer element full
インターナルターゲット失敗 / internal target failure
無効なエレメントタイプ / invalid element type
無効なフォーマット / incompatible format
これらのエラーは大抵ライブラリ自体の設定に問題があるか、P5の設定に問題があります。
P5からライブラリの設定を消去し、新しく設定し、デバイスの電源を一旦落としたのち再度投入し(パワーサイクルリブート)を行ってください。
また問題が、解決しない場合、機械に問題があるか確認します。
テープがチェンジャーの中で詰まっていて、動けない可能性があります。
2.メディアチェンジャーがトランスポート又は、テープのローディング、アンローディングの際に下記のエラーを表示した場合
→移転先のエレメントがいっぱい
→ソースエレメントが空
下記の問題の可能性があります:
・P5はライブラリのスロットとテープ位置関係を厳密に割り当てます。新しくカートリッジをドライブの中のテープのスロットに入れなように気をつけてください。
ドライブは空にしてから、テープを変更します。また、上記が表示された時、チェンジャーをP5ストレージマネージャから一度リセットしてください。
1回のリセットで改善しない場合は、もう一度リセットを行います。
・チェンジャーにスロットの数以上にテープが入れられていないようご注意ください。21巻のテープを20巻対応のスロットチェンジャーに入れられたとしても、チェンジャーがテープを移動する余地が無くなります(移転先のスロットが塞がってしまいます)。この場合はテープ1巻を取り外してください。