2章5 P5のシステム構成

P5では、設定の実体となる、ドライブやチェンジャーといったデバイスや、ボリューム、クライアントを「リソース」と呼んでいます。

これらの情報はリソースデータベース(またはコンフィグレーションデータベース)に収容されています。このデータベースは管理者が視覚的に把握しやすいようにツリー構造で表示されます。

リソースの表示項目は機能別に分類されています。たとえば、ドライブを探すには、インストールされたすべてのドライブがまとめられたデバイスエリアから参照できます。同様にラベルされたすべてのテープ(またはディスクコンテナ)はボリュームエリアから参照することができます。

グループに属する各エントリーは、ユニークなIDが割り当てられ、個別のリソースごとの摘要と数種類の詳細なパラメータとともに保存されています。これらのパラメータはアトリビュート(属性)と呼びます。

たとえば、特定のバックアッププランをメディアプールを参照したり、ボリュームをそのクローンにリンクするなど、各リソースは相互に参照あるいはリンクされた関係になっている場合があります。

P5はデータベースをもとに、異なるモジュールの間でさまざまなリソースへのアクセスを管理します。
異なるユーザーから同時に開始されたジョブで複数のボリュームから異なるファイルをリストアするようなタスクにも対応できます。

P5は、ウェブブラウザベースのユーザーインターフェイスを通じてこれらのリソースの設定ができます。セットアップや初期の設定を簡略化するために、ほとんどのリソースは初期値に設定されています。これらのデフォルト値を変更することで、P5をご利用の特定の使用環境に最適化しパフォーマンスを向上させることができます。

次のリストは各リソースグループと、リソースグループの目的と使用法についてまとめています。

 


クライアント / Client

バックアップ対象となる各サーバーはクライアントとして設定されなければなりません。クライアントリソースはネットワーク上のサーバーを特定するために、TCP/IPアドレス等のすべての必要な属性を持ちます。

(関連項目) Backup Plan, Archive Plan, Sync Plan

アーカイブプラン / Archive Plan

アーカイブプランはプランの実行のために必要なすべての重要な設定情報を保持します。

アーカイブをイニシャライズするユーザーは、事前に定義されあるいは事前に設定されたプランから選ぶことができます。プランの実行にはすべての細かな技術的な詳細情報を設定することなく行えます。

(関連項目) Client, Filter

バックアッププラン / Backup Plan

各バックアッププランはバックアップ対象となる1つ以上のディレクトリを定義します。追加の要素では、バックアップが実行される時刻や、バックアップ先のプールが定義されます。
また、フィルタにより、一時ファイルなど、特定のファイルのみをバックアップ対象から除外することができます。

(関連項目) Client, Filter

シンクプラン / Sync Plan

各シンクプランは1つ以上のソースおよび任意のP5クライアント上のターゲットディレクトリを指定します。
その他のオプションでは、シンクロナイズ方法および実行時刻を設定できます。フィルタにより特定のファイルを除外することもできます。

(関連項目) Client, Filter

フィルタ / Filter

「フィルタ」リソースグループは、特定のプロパティを持つファイルの選択に関する属性を保持します。

(関連項目) Archive Plan,Backup Plan,Sync Plan

ボリューム / Volume

P5はボリュームにデータを保存します。「ボリューム」はラベルを保持します。LTOテープのようなラベルされたメディアなど、各ボリュームはこのリソースグループエントリーを持ちます。

ボリュームはグループ化され、プールを構成します。正しいドライブの使用に、ボリュームはラベリングされ、特定のドライブを重複することなく管理することができます。

(関連項目) Pool

プール / Pool

各ボリューム(またはラベルされたメディア)はプールに属します。プールは管理および制御の単位として使われます。
ジョブはプールの利用手段と目的に応じて、使用量の制限するように設定することもできます。

(関連項目) Archive Plan, Backup Plan, Device, Volume

デバイス  / Device

「デバイス」リソースグループのエントリーはドライブやP5が対応するその他のストレージ要素と関連付けられています。ドライブは単体のドライブであったり、ストレージライブラリの一部分である場合があります。
これらの属性は、ドライブの種類やドライブに対してのOSのパス(ハンドルまたは名前)など、ドライブのプロパティを定義しています。

(関連項目) Jukebox, Pool

ジュークボックス / Jukebox

サーバーに接続され、P5で設定された各ライブラリ(チェンジャー)はこのリソースグループのエントリーを保有します。属性にはスロットの数やアドレス、内蔵するドライブの数といったチェンジャーのハードウェアプロパティが記述されます。

(関連項目) Device

ジョブ / Job

メディアのラベリングやバックアップの実行といったすべてのタスク、関連するコントロールはジョブスケジューラのジョブとして実行されます。
ジョブは実行予定された状態または実行中の状態のみリソースとして存在します。ジョブが完了すると、ジョブとしてのリソースはログに記録される項目としてアーカイブされます。

データベース  / Database

P5は設定は管理とバックアップインデックスをデータベースとして管理します。
(関連項目) Log-in Area

ログインエリア / Log-in Area

ログインエリアはインデックスとデータベースへのユーザーアクセス構造を保持します。
(関連項目) Database

ユーザープリファレンス / User Preferences

ユーザー設定およびプリファレンスは、この「ユーザープリファレンス」で管理されます。
属性にはユーザーに与えられるP5に対する操作や機能ごとのアクセス権限が保持されます。

ワークステーション / Workstations

P5 Backup2Goサーバーに接続されたすべてのワークステーションの管理情報が、本リソースに記録されます。
(関連項目) Template

Backup2Goサーバー / Backup2GoServers

Backup2Goワークステーションはサーバーへの接続情報をこのサーバーレコードに保持します。

Backup2Goテンプレート / Backup2Go Templates

新しいワークステーションレコードの作成に使用されるBackup2Goテンプレートのインスタンスです。
(関連項目) Backup2Go WorkStations