3-03 LiveGrade - LiveGrade HD-SDI機器構成と接続
LiveGradeを使った最適なHD-SDIでのモニタリングを行う作業環境を構築するには、機器構成で考慮すべき点がいくつか存在します。下図はカメラからのHD-SDI信号をモニターで確認する代表的なハードウェア構成を示したものです。
図1: LiveGrade使用環境の SDI接続機器構成
図1では、信号入力とグレードを反映させた映像のモニターだけでなく、ビデオキャプチャも可能な構成です。この場合はカメラからもう1系統のSDIケーブルをキャプチャデバイス(Blackmagic Design Ultrastudio)に接続しています。キャプチャされた信号はThunderbolt接続を経由してコンピューターに取り込まれます。同時に映像へのLUTやルック はLUTデバイスにリアルタイムに送り込まれます。ライブ映像にルックが反映され、DVIやHDMIケーブルを介してモニターに表示されます。モニターにSDIだけでなく、DVIやHDMI入力があれば、両方を接続して切り替えながら確認も行えます。
LiveGradeのイメージビューと放送モニターのマッチングを行う場合、ColorSyncを無効にしてビデオガンマをイメージビューに設定することもできます。
SDIのリーガルレンジとエクステンデッドレンジ設定
図2: リーガルおよびエクステンデッドレンジのSDI機器構成
Legal レンジ:
10ビット(0-1023)のうち64-960の値を輝度成分の階調として利用し ます。通常、一般的にSDI信号はこのリーガルレンジを利用します。ほとんどのSDI対応機器の多くでデフォルトで利用される信号レンジです。
Extended レンジ:
10ビット(0-1023)のうち、0から1023までの数値をすべての階調に利用します。フルレンジとも呼ばれ、一部のワークフローで利用される特種な設定です。
HD-SDI信号の入力側、出力側それぞれの信号に基づいた適切なレンジを選択してください。LiveGradeは両方のレンジに対応しています。
図3 : ARRI Alexaカメラのメニュー表示におけるSDI出力レンジ設定
LiveGradeは入出力ごとに、これらのコードレンジ値に適切な設定をする必要があります。リーガル、エクステンデッドのレンジ設定は、デバイスマネージャーから各デバイスごとに設定することができます。
図4 : LiveGradeの「デバイスマネージャー」でのHD-SDI設定
もし入力と出力でリーガル/エクステンデッドの設定が一致しない場合でも、LiveGradeで一方のレンジを他方に変換して利用することもできます。たとえばカメラからエクステンデッドレンジの信号が入力信号として受ける場合に、利用するモニターがリーガルレンジを受け付ける設定にしたHD-SDIモニターである場合には、次のように設定することで対応できます。
図5 : 数値レンジのをエクステンデッドからリーガルに変換する例
注意事項:
LiveGradeでのカラー調整操作による処理をSDI-OUTに出力するには、BlackMagic HDLink Utilityの「Send to all video outputs」チェックボックスを必ず有効にしておきます。このチェックが選択されていない場合では、HDLinkはディスプレイポート、DVI、HDMIのみに対して調整処理が反映された映像を出力し、SDIからの出力には反映されません。
図5 : HDLinkのSDI-OUTをLiveGradeのカラー変換に利用する場合の設定