P5 バージョン7.0の新機能
● クラウドおよびディスク向けの「コンテナ」ストレージエンジン
バージョン7に新たに追加された新しいストレージフォーマットです。仮想テープの概念から脱却し、従来のマルチボリュームは、ディスクやクラウドストレージへの新たなアクセス手段となる、単一の「ストレージコンテナ」として刷新されました。必要に応じて後から容量を追加できる可変サイズの柔軟な「コンテナ」は、クラウドのオブジェクトストレージとの連携に最適です。
複数の並列読み込み/書き込みに性能を落とすことなく対応しています。さらに細密なバックアップデータの経時リサイクルにも対応し、クラウドストレージの容量消費節減の面においても最良のクラウドバックアップソリューションとなっています。
コンテナストレージに関する参考記事(英文)
https://blog.archiware.com/blog/p5-version-7-new-container-format-concept-and-benefits/
● よりシンプルに。進化したストレージ管理機能
ディスクやクラウドを設定する際のストレージ管理操作の負担が大幅に低減されました。タブベースのストレージマネージャーにより、テープ、ディスク、クラウドストレージの設定を単一の操作画面で実現します。
● ディスクおよびクラウドストレージのベアメタルリカバリに完全対応
新機能のコンテナボリュームを使用すると、P5は実行されるすべてのジョブごとに設定・コンフィグおよびバックアップインデックスを自動的にディスクおよびクラウド上に保存します。クラウドやディスクからのP5サーバーのフルリカバリがGUIからの数クリック操作で実現します。
● クラウドへの書き込み時のローカルキャッシュストレージの使用を最小化
ローカルディスクをデータアップロードの準備に限定して使用することで、クラウドオブジェクトストレージへのバックアップおよびアーカイブに必要なローカルストレージ容量を従来の数分の一に抑えました。
● LZ4による圧縮率改善
ディスク/クラウドストレージへの書き込み時に最新の圧縮アルゴリズムを採用することで、高速転送と省ディスクスペースを実現しました。
● S3 Glacier対応、ディープアーカイブを強化
S3へのバックアップまたはアーカイブの際の「Deep Archive」オプションに完全対応。データの復元時には必要なオブジェクトを一括要求し、クラウドオブジェクトが利用可能になるまで待機します。
■ P5 ARCHIVE V7の新機能
● 外部LTFSボリュームのインポート機能
LTFSにデータを保存しているユーザーに有利な新機能です。P5 ArchiveにLTFSテープをインポートすることで、インデックスを活用し、複数のボリュームにわたっての検索機能を駆使したデータの体系的な運用管理に移行することができます。P5で書き込まれたLTFSテープはもちろん、他メーカーのLTFSソフトウェアで書き込まれたテープにも対応します。インポート時には、LTFSテープボリュームをスキャンし、P5 Archiveインデックスにコンテンツを追加します。データはアーカイブインデックスを経由して複数のテープにわたって復元することもできます。また、テープライブラリを利用して、複数のスロットを跨いでのインポートにも対応しています。
● 各種クラウドサービスのデータ運搬方式に対応
AWS SnowballやB2 Fireball等を利用してアーカイブデータを運搬する時のために、P5はこれらクラウドオブジェクトストレージへの直接書き込みのためのチェックボックスオプションが追加されました。これにより従来の接続/切り離しワークフローを解消し、シンプルなデバイスの運用が可能になります。
● LTFS Exchange が全プラットフォームに対応
Windows、Mac、FreeBSD、Linuxを含めP5が対応するすべてのプラットフォームに対応し、LTFSの読み込みと書き込み、フォーマットがよりシンプルになりました。
● ベリファイ高速データ書き込み
最新のxxHash 64 /128 アルゴリズムを採用し、チェックサムベリフィケーションが最大3倍に高速化しました。
● ミニMAMでの検索結果を保持
アーカイブインデックスでの検索結果とブラウズを切り替える場合も、前回実行した検索が保持され、データの特定がより便利になります。また、直近の10件の検索がドロップダウンメニューから参照できます。
■ P5 BACKUP V7の新機能
● インクリメンタルクラウドバックアップ
クラウドやディスクストレージへのフルバックアップはもはや必要ありません。バージョン7ではフルバックアップはLTOテープ全体のリサイクルや再利用の際にのみ要求されます。クラウドやディスクストレージへの書き込みには、新しいコンテナボリュームストレージを利用し、期限切れファイルやストレージの再利用を細密に行われます。プログレッシブバックアップが無期限に利用でき、クラウドオブジェクトストレージへの高速で効率の良いバックアップが可能です。
● バックアップの予行演習
P5は バックアップ対象のストレージとインデックスを比較照合し、新規ファイル、改変ファイル、移動されたファイルの数を表示します。バックアップ完了までの所要時間と必要なストレージ容量やテープ数を事前把握することができます。
● ターゲットストレージのバックアップサイズ制限
Amazon SnowballやBlackblaze Firaball、Wasabi Ballなどのデータ搬送アプライアンスへの転送制限を設定するために、ターゲットストレージの制限機能が追加されました。バックアップサイズが単一のデータ搬送アプライアンスの容量を超える場合に対応するための新機能です。
● リネーム検出
新たにフォルダ名のみの変更の検出機能が追加されました。フォルダに含まれているファイルに変更がなく、フォルダ名のみが変更された場合に、内包するファイルの再保存の必要なくインデックスを新しいフォルダ名称下に調整して更新します。
たとえば、ストレージの最上階層のフォルダ名が変更された場合でも、階層下に含まれている数テラバイトに及び得る膨大なファイルの再保存の必要性を解消し、時間やコストを節減します。
■ P5 SYNCHRONIZE V7の新機能
● ネットワーク帯域スロットリングのスケジュール
スケジューラにイベントごとのスロットリングが追加されました。スロットル制御でP5が使用する日中の就業時間中のネットワーク帯域を抑制しつつ、夜間にフル帯域を割り当てるなどの設定が可能です。